格闘技初心者にこそ知ってもらいたい「闘いにおける距離」について

日々の考察

今回は格闘技歴16年の僕が、格闘技未経験者の方が読んだだけで、闘い方が大きく進化するようなことを記事にしたいと思います。

また「格闘技をやったことはないけど、見るのは好き」という方には、これからの格闘技観戦が100倍楽しくなること間違いなしの情報です!

格闘技経験者の方からすれば、基礎中の基礎の話をしていますので、流し読みしてもらって構いません。

ですが経験者の方でも、なかなか初心者と闘う機会は少ないと思うので、「こんなことも分からないのか」という気付きは得られるかもしれません。笑

 

闘いで最も重要なのは「距離」

僕が思うに、格闘技未経験者と経験者の一番大きな違いは「自分にとって有利な距離が分かっているかどうか」だと思います。

いわゆる「間合い」というものです。

これは闘いにおける基本中の基本となるもので、強くなるなら体を鍛えたりするよりも、圧倒的に優先度が高いです。

なぜなら、どれだけ筋肉をつけようが、武器を持っていようが、間合いを把握できていないとまず当たらないからです。

 

ボクシングの理想である「打たせずに打つ」とは、実は間合いのことを言っているのです。

打たせない距離に身を置きつつ、打つ瞬間だけは当たる距離にいるということです。

まだまだ何を言っているか分からない方も多いかと思います。

ここからは「攻撃が当たらない」とはどういうことなのかを説明したいと思います。

 

相手の手足の長さより遠い所から攻撃をもらうことはない

闘いにおける「安全地帯」ってどこなのでしょうか?

もちろん5mも離れていればそりゃ安全ですよね。

では相手が4m、3mと近づいて行った時、どこまでが安全なのか。

 

それはズバリ、相手の手足の長さよりも、わずかにでも遠ければいいんです。

どんなに強い打撃であろうと、手足の長さよりも遠い所には絶対に届きません。

これは組技にも言えることで、手や足が届かない場所にいる相手を捉えることはできません。

至極単純なことですが、未経験者の方はこれが意外と理解できていないと思います。

これが理解できているだけで、「自分の攻撃を当てるにはどうすればよいか」、「相手の攻撃を回避するにはどうしたらよいか」が自然と理解できると思います。

 

「当たる距離」「当たらない距離」を使い分ける

ここまでで、攻撃・回避する時の適切な距離が分かったと思います。

次の問題は、闘ってる最中どのように2つの距離を測定して、使い分けるのか?という部分です。

 

当たる距離の測り方

先ほどまでの理論だと、手足が届く距離まで近づけばいいのですが、現実はそう簡単ではありません。

相手も動き続けているので、相手の位置と自分の距離という2つの要素が変化し、簡単には距離がつかめません。

それに加えて、人間のメンタルは面白いもので、実際に攻撃を当てて「この距離だ!」と自信がつくまでは、どこまで近づけば攻撃が当たるのかということがはっきり分かりません。

 

そのためにボクシング・キックボクシング・MMAなどでは相手との距離を測るために「ジャブ」が多用されるのです。

ジャブは打撃の中では最も早く、相手との最短距離を通るパンチです。

つまりこのジャブが当たる=今自分の攻撃が「当たる距離」にいるということが分かるのです。

 

そのため自分の攻撃が当たる距離を知りたければ、とにかくジャブを出して、「ここなら当たる」という距離を測り続けましょう。

また、蹴りの当たる距離を測りたい場合には「前蹴り」が有効です。

ちなみに前蹴りが当たる距離は、「パンチは当たらないが、蹴りなら当たる距離」になります。

 

当たらない距離の測り方

もちろん闘う前にメジャーを持って相手の手足の長さを測らせてもらうわけにはいきません。笑

ですが、「攻撃が当たる距離」に比べ、先ほどの理論が実戦でも割とそのまま通用するので、「当たらない距離」の方が測りやすいと思います。

 

実戦で攻撃が当たらない距離を測るには、絶対に当たらない距離から、徐々に当たるギリギリまで近づきましょう。

まずは攻撃を絶対にもらわない距離にい続けられるようにします。

そのためには相手の攻撃が来れば、相手がこちらに前進した分だけ後ろに下がれば、間違いなく回避することができます。

こう書くとすごく簡単そうに見えると思いますが、実際簡単です。笑

相手の攻撃を避けるだけでいいなら、これを行い続ければいいだけです。

僕がボクシングジムに所属していた頃、入門してすぐの人に、一方的に殴りかかって来てもらうという練習をよくやっていたのですが、もちろん1発も当たりませんでした。

何故なら、初心者の方が僕に近づいた分だけ、僕が後ろに下がるだけでいいんですから。笑

 

しかし問題は、自分も攻撃を当てなければならないということです。

そのためには、「自分が攻撃を回避できる一番相手に近い場所」を見つける必要があります。

そしてその方法が、自分の体よりも前で攻撃を受けてみるということです。

攻撃を受けるといっても、パンチを手ではじいたり、キックを脚でカットしたりというような防御を行うということです。

こうやって防御しながら近づいてみることで「これ以上近づくと、相手の攻撃が顔に当たる」ということが分かります。

先ほどの入門者に一方的に殴りかかってもらう練習で言うと、「これ以上近づくと相手の攻撃が当たる距離」からパンチが飛んできたとしても、後ろには下がらず顔を数センチ後ろに引くだけで当たらなくなります。

 

ということで、自分が攻撃する時以外は、「これ以上近づくと、相手の攻撃が当たる」距離よりも遠くにいれば問題ありません。

こうして「当たる距離」と「当たらない距離」の二つを測定して、自分の次に行う行動に合わせて、距離を使い分けるというわけです。

 

相手が武器を持っていても、原理は同じ

ナイフや刀、鉄パイプなど、実際に相対する機会は少なくとも、これらの武器は実在しています。

というわけで、一応ですが、相手が武器を持っていた場合のことを考えてみましょう。

 

もちろんですが、理想は逃げましょう。笑

もうこうなってくると格闘技ですらなくなっていますからね。笑

 

ですがナイフにしろ刀にしろ、先ほどと同様、手+武器の距離より遠くには攻撃することができません。

そのため攻撃をもらわないようにするためには、相手が近づいてきた分だけバックステップすればいいのです。

走って突っ込んで来れるほど自分との距離が開いているなら、自分も走って逃げればいい話ですしね。笑

 

つまり回避するという面だけで見れば、武器を持っていたとしても、武器の分だけ遠くに回避すればよいということになります。

 

最後に

今回僕が説明したのは、あくまで直線上での話に過ぎません。

もちろん格闘技は前後だけに動くものではなく、縦横無尽に激しく動き回ります。

そのため、横に避けたり、体をひねって避けたりと、攻撃を回避する方法はまだまだ無数にあります。

しかし、今回説明した前後の距離を知るということは、最も基本であり、これができずに格闘技をができるわけがありません。

まずはこの基本をしっかり理解した上で、格闘技を練習したり、試合を観戦してみてください。

そうすることでもっと格闘技の面白さに気づいてもらえるかと思ってこの記事を書きました。

 

ということで最後に、今回僕が説明した「距離」というものを、世界で一番マスターしていると思う選手を紹介して終わりましょう。

ワシル・ロマチェンコ

このロマチェンコ選手はウクライナ出身のプロボクサーで、オリンピック2年連続金メダリスト、世界最速プロボクシング2階級制覇、「ハイテク」「マトリックス」というような異名を持つ、ボクシング史上最高傑作とも呼び声高い選手です。

階級的にはフェザー・スーパーフェザー級なので、長谷川穂積さん、内山高志さんと同じ階級になります。

距離感覚と、コンビネーションの技術に関しては、恐らく世界一ではないかと思います。

参考までに動画をどうぞ!

 

 

僕のブログをきっかけに格闘技に興味を持ってもらえたら、それほど嬉しいことはありません。

これからも格闘技についての記事は書いていて楽しいので書き続けていきたいですね。

ではまたー

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